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ショートショートはいかがですか?
〜日々の生活にスパイスを!
C王子が1分で読めるユーモアを届けます。〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ Vol.1 ◆━━
『真実の愛』
深く愛し合った後、僕らはベッドの上でしばらく横になっていた。
僕の腕でスヤスヤと彼女のA子が眠っている。
僕は彼女の寝顔を優しく見つめたあと、そっと口付けをした。
彼女がゆっくりと目を開けた。
「ごめん、起こしちゃったね」
彼女が小さく首を横に振る。
なんて綺麗なんだ。
「なあ、A子」
彼女は黙って僕の話を聞く。
「愛ってなんてすばらしいんだろう。
最近、生きるってことは本当すばらしいことだとつくづく思うんだ。
だって考えてごらんよ。
僕達が何10億分の1の確立で同じ人間として生を受け、そして
何10億分の1の確立でこうやって出会い、愛し合う。
これって運命以外の何物でもないと僕は思うんだ」
彼女は僕の目を真剣な眼差しで見つめる。
僕は続ける。
「確かに、この世に生を受けたものすべてに愛というものは存在する
のかもしれない。
もちろん人間を含め生物は子孫を残すために愛し合うのだろう。
でも、動物達は愛を愛と自覚することができるのだろうか。
僕はできないと思う。
僕の言っている意味がわかるかい?
僕がここで言う愛とは、エロスのことではないのだよ。
そう、アガペーのことさ。
つまり、性的な愛とは別の非打算的な愛のことさ」
彼女は黙って頷く。きっと彼女は僕を愛している。
「僕はきっと、君なしでは生きていけないだろう。
もちろん、君もそうだと思う。
愛・・・愛・・・愛・・・。
真実の愛とはなんだろう。
僕らは常に愛を求め、愛に満たされ生きている。
なあ、いいだろう。もう1回だけ」
彼女は壁の時計を見ると、そっと起き上がり、下着をつけ始めた。
「だめよ。お客さん。時間は守らなきゃ。
でもまぁ、追加料金を払ってくれるのなら話は別だけどね」
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ここにはあとがきが入ります。
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